仮説を立て、からだで確かめ続けた。
目黒・下目黒。駅前の喧騒から少し離れたビルの6階に、そのスタジオはある。
扉が開くと、空気が変わった。大きな窓から柔らかな光が入り、木目の床には静けさが広がっている。整然と並ぶリフォーマー、無駄のない空間。そこには「鍛える場所」というより、長い時間をかけて整えられた研究室のような空気があった。
櫻井淳子は、その中央で静かに取材に応じていた。
言葉数は多くない。必要以上に自分を語らない。だが、質問に対する答えには迷いがなかった。
「私は研究者だったので、何でも仮説を立てて考えるんです。ピラティスも最初からそうでした」
現在、櫻井はジョセフ・ピラティスの流れを受け継ぐ第一世代の指導者、ロリータ・サン・ミゲルから正式に認められた数少ない継承者の一人として活動している。日本だけではなく、世界各地でも指導を行い、後進育成にも携わる存在だ。
だが、その出発点は華やかなものではなかった。
かつて彼女は、妊娠出産期の体調悪化によって寝たきりになり、布団から起き上がることすらできなかった。













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