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教授の背中に、鬼宿りし——。
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LEGEND
岡田 隆
東京都

FOCUS POINT

ダイエット・ボディメイク
健康・機能改善
競技パフォーマンス
調整系・ボディワーク
1 バルクアップ
1 ボディライン
1 バルクアップ
1 コンテスト対策
1 姿勢/歪みの改善
1 痛み/不調の改善
1 運動機能の維持
1 リハビリ後サポート
1 瞬発力系の向上
1 持久力系の強化
1 競技特化トレーニング
1 学生アスリート指導
1 ヨガ
1 ピラティス
1 ボディケア/ストレッチ
1 産前産後ケア
CATEGORY

ダイエット・ボディメイク

ボディライン
ボディラインの美しさを重視した指導
ダイエット指導
食事指導を含む減量のサポート
バルクアップ
筋肉量を増やすための指導
コンテスト対策
大会出場者向けの指導/サポート

健康・機能改善

姿勢/歪みの改善
不良姿勢・骨格バランスの最適化
痛み/不調の改善
肩こり・腰痛などの改善を目的とした対応
運動機能の維持
中高年に向けた健康トレーニング
リハビリ後サポート
怪我・手術後などの回復期支援トレーニング

競技パフォーマンス

瞬発力系の向上
アジリティやスピード系能力の強化
持久力系の強化
持続性パフォーマンスや疲労耐性の改善
競技特化トレーニング
スポーツごとの特性に合わせた専用指導
学生アスリート指導
成長期の運動能力向上と怪我予防の両立

調整系・ボディワーク

ヨガ
呼吸・柔軟性・心身のバランス向上
ピラティス
インナーマッスル・姿勢制御力の強化
ボディケア/ストレッチ
徒手による可動域改善やケア
産前産後ケア
妊娠期・出産後ののボディサポート

PROFILE

1980年1月6日愛知県生まれ。日本体育大学教授。究極の実践研究としてボディビル競技への挑戦を続けており、2012年から2021年まで柔道全日本男子チーム体力強化部門長を務め、2016リオ五輪では史上初となる男子全階級メダル制覇、2021年東京五輪では史上最多金メダル5個獲得を達成。

LICENSES

博士(体育科学)理学療法士日本スポーツ協会公認ATNSCA CSCS

MEDIA

書籍『世界一細かすぎる筋トレ図鑑』(小学館)書籍『筋トレ効果を最大化する タンパク質戦略』(青春出版社)書籍『究極の筋トレ休息法 』(ポプラ社)などTV  『ホンマでっか!?TV』『ジャンクSPORTS』(フジテレビ系列)など
IDENTITY
トレーナーインタビュー
岡田 隆のストーリー画像 1
「トレーナーは社会的意義のある仕事です」
『メメント・モリ』という言葉をご存知だろうか。ラテン語由来のこの言葉は「死を忘れるな」という意味で、自分の身がいずれは失われることへの戒めであると同時に、死を意識することによって、限られた生を大切にせよという今を生きることへの肯定的な警句でもあるーー。 “日本体育大学の筋肉博士”と聞けば誰もがピンとくるはずだ。漆黒のジャケットの上からでも目立つ広い肩幅は、男がスポーツ医学・スポーツ科学の研究者として第一人者でありながら、ボディビルダーという実践者でもある証拠だ。 スポーツ医科学の世界で異彩を放ち続ける男——岡田隆。 日々研究に明け暮れながらも、自らの肉体を研究材料として鍛え上げる。岡田の学問と実践の往復は日々続いている。まさに文武両道を具現化したような男だ。 「トレーナーは社会的意義のある仕事です」 そう語る岡田の口ぶりには知の厳密さと実践者としての矜持が混じり合う。机の上だけでは導き出せない感覚の正体を突き詰めるために、彼にとって学びの場は大学の研究室を越えてジムのフリーウェイトエリアに及ぶ。 論文の執筆にもスクワットにも等しく向き合っている。 岡田の研究するスポーツ科学はアスリートの未来を左右するだけではなく、今やスポーツの枠組みすらも飛び越えて、社会的課題を解決へと導く重要なキーとなっている。 スポーツ科学の最前線に立つ岡田隆の思考と実践。フィットネス業界の現状と向き合い続ける男から語られたのは、“ある出来事”をきっかけに変わった“人生観”についてだった。
岡田 隆のストーリー画像 2
再起の果てには…
東京オリンピック目前の2021年2月。岡田は突然2ヶ月にわたる入院生活を余儀なくされた。診断結果は胸膜下膿瘍だ。 血液に細菌が入ってしまい、肺に膿が溜まる危険な感染症だった。激しい胸の痛みで寝返りすら困難になり食事もままならない。薬の副作用で肝機能も低下してしまう。身体について誰よりも考えて実践で磨き続けてきた男にとって、それが日に日に小さく弱くなっていく現実は耐え難いものがあった。 「もう筋トレはできないかもしれない。そんな不安もよぎりました」 東京オリンピックの柔道選手の指導に打ち込む傍らで、自身のボディビル挑戦の再始動を決意した矢先の出来事だった。 「退院後に20キロのプレートがすごく重く感じました。ショックでしたね」 筋肉は病魔によっていとも容易く削ぎ落とされてしまった。それを取り戻すには長い時間と忍耐が必要になってくる。それでも岡田は腐らなかった。 退院後に半年でのバルクアップ、そして半年かけての減量。徹底した食事管理とトレーニングで身体を再構築したのだ。 そして翌年――。 4シーズンぶりにボディビルの舞台へと戻った男の姿が、そこにはあった。1年前までは身体のコンディションは最悪だった。だが適切なトレーニングと食事管理、それ以上に折れない心で身体を再び作ったのだ。 「やめないことがいちばん大切なんです」 筋肉も、競技も、人生も。諦めてしまえば取り戻すには途方もない時間を要する。常に歩みを止めない者だけが少しずつでも前進できる資格を得るのだ。岡田は今日も研究室とジムで己に向き合い続けている。
岡田 隆のストーリー画像 3
戦火での体験
「戦争です」 その短い言葉が岡田の口をついて出た瞬間、意味を理解するのに少し時間が掛かった。人生のどん底を尋ねた際の返答である。 「日本人のボディビルダーで戦争を体験したのはわたしだけかもしれませんね」 岡田は2023年4月から、イスラエルの都であるテルアビブにて研究をするために、単身渡航した。実践研究として、現地での全イスラエルボディビル選手権に参加して見事に総合優勝を果たし、プロカードと世界選手権代表権を掴む。その後も研究者としてテルアビブに残り続けた。 「たった1日です。前日まで平和だったのに1日ですべてが変わりました」 10月7日――それは起きた。 ガザからハマスによる越境攻撃が始まると、テルアビブの空は一変した。轟音を響かせながら飛来するロケット弾。鳴り響くテロ警戒アプリ「レッドアラート」は文字通り生命の危機を知らせている。 ガザからの砲撃を告げるアラームアプリが告げるのは「あと1時間で集中爆撃が来る」という極限の状況だった。前日までの平和は嘘のように崩壊した。 宿泊先にしていた古びたアパートで、岡田は「筋肉では防ぐことができない現実」を身をもって知ることとなる。 「上空をロケット弾が飛んでき、着弾して爆発する音が聞こえました。このまま家にいたら終わりだと思いました」 世界選手権に向けた減量中だったが、もちろん中断する。トレーニングもできない。少し前までジム仲間だった男はジムウェアから軍服に着替えて戦地へ向かっていった。トレーナーの友人はハマスからの攻撃で妹を亡くした。 戦時下の国では“生きること”のみが最優先事項になる。そのとき岡田は生まれて初めて真剣に、生物としてどう戦えばいいのか?を考えたという。 「銃で撃たれたら終わりです。捕虜になっても助けてもらえる保証なんてない」 平和を前提にしたスポーツ。平和を前提にした研究。そして平和を前提にした社会。 「ボディビルも研究も平和だからできるんです。学生たちにも伝えたいです。なんの心配もなく競技や勉強に取り組めることが、どれだけ恵まれているか」 イスラエルでは兵役は男女共通の義務だ。街にいる誰もが戦うための準備をすることが義務付けられているのだ。イスラエルで行われた4月のボディビル大会では兵士たちの追悼映像が流れた。イスラエルでは“戦いで命を落とすこと”が身近にある。 「日本では絶対にできない経験です。日本人にはない覚悟を見ました」 戦火の中で日本選手権をスマートフォンで観戦した。その場所はサイレンの鳴り響くシェルターの中だったという。 戦争勃発から二日後。岡田は在イスラエル日本国大使館との連携を経て帰国の途に就いた。祖国のために世界で活動する日本人の姿を目の当たりにし、その愛国心に胸を震わせた。出国の起点となるテルアビブのベングリオン国際空港に辿り着いた瞬間、頭上を爆撃音が切り裂く。帰国は叶わないかもしれない――そう覚悟した瞬間を、今も鮮明に思い出すという。 帰国後。岡田は世界選手権に向けて再びトレーニングを再開した。しかし、その眼差しはもはや以前のものではなかった。生命の危機を間近に感じた男の瞳には、筋肉だけでは抗えない現実が刻まれていたのだ。 ただし、極限の緊張下でも平常心を保てた背景には、過酷な鍛錬を積み重ねた肉体と精神の支えがあったことを悟る。筋肉を鍛えることの意味は、彼の中で新たな次元へと昇華していた。どれほど苛烈なトレーニングであっても、それは平和の土台があってこそ成立する――その真実が、心に深く刻まれたのである。
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フィットネスから日本を支える
「筋トレは趣味の延長かもしれない。けれどそれは“将来の自分を守る”行為でもあるんです」 「若手トレーナーへのメッセージ」を問いかけた際、岡田はその仕事の重要性を強調した。日本は世界でも類を見ないスピードで高齢社会を突き進んでいる。“人生100年時代”が現実のものとなりつつあるなか、“歩けない高齢者があふれる社会”は避けられない未来のひとつかもしれない。だが岡田は言う。 「“成熟した国家”は自分の身体を自分で維持できる社会です。その伴走者になるのがパーソナルトレーナーの役割です」 高齢になれば筋肉は自然と失われる。なにもしないまま80歳になると若い頃のおよそ半分の筋力になってしまう。それでも努力によってある程度の筋力はキープできるのだという。 「私の祖母は99歳で亡くなりました。しかし最期まで自分の足で歩いていました。筋肉があれば人は最期まで“自分の人生”を生きられるんです」 だがそれを実現するのは本人ひとりだけでは難しい。“伴走者”となるのがトレーナーの役割なのだ。 「パーソナルトレーナーは社会的意義のある仕事です。AI時代にも奪われない“人間にしかできない職能”になるはずです」 だからこそ岡田は若手トレーナーにこう訴える。 「若者であっても、皆いつか中高年になります。年と経験を重ねたトレーナーが側にいること。これ以上に心強いことはありません」 勉強を怠らないこと。目の前の“今”だけでなく“未来の姿”を想像すること。そして多様な人間のことを深く知ろうとすること。つねに多くの人間と向き合うトレーナーには様々なスキルが求められる。 「現代の日本を支えるために必須な仕事です。誇りに思って欲しいと思います」 岡田の目は未来を見据えている。
岡田 隆のストーリー画像 5
SNS時代に求められる特性
「耳目を集める発言で得をする人間もいる。けど、それは一過性のものです。仕事や人生という長期で考えたときには、結局は“本物”でなければならない」 近年のダイエット、ボディメイク業界に岡田隆は強く危機感を抱いている。過剰なコピー、根拠のない断言、ビジュアルだけを煽る発信。人々の痩せたい“や“いい身体になりたい”という欲望に便乗する形で、誤情報や詐欺まがいの商法がはびこる現状がある。 「ダイエットは医療と同じように、他者の心身や人生に介入する行為。だからこそ責任と誇りを持って取り組んでほしいんです」 確かに映える発言や極端な食事法はSNSで拡散されやすい。だが身体のことを扱う以上は、その影響に責任を持って欲しい。間違った情報に飛びついた人が健康を損ねることすら起きてしまう。 「公共の福祉に反していないか?を常に自問自答する。それが最低限の倫理観ではないでしょうか」 自分の名を売るために業界全体の信頼を毀損することは、長期的に見れば“自滅”にほかならない。適当に売れそうなことに飛びつけば、因果は巡って、必ず自分の信頼を失墜することになる。 「自分を守るためにも、業界全体を守るためにも、日本国民を守るためにも、高い倫理観が必要です」 情報を受け取る側のリテラシーも問われる時代だ。それでも岡田は「発信する側により重い責任がある」と断言する。そして岡田は最後にこうも語った。 「死ぬときは死ぬ。最期になにを思うかは、自分がどう生きてきたかで決まる」 イスラエルでの戦争体験によって身近に感じた“死”への意識ーー。その体験は今を生きることの足取りを肯定してくれる。『メメント・モリ』の精神は岡田の筋骨隆々とした身体に刻み込まれているのだ。
岡田 隆のプロフィール画像
岡田 隆
1980年1月6日愛知県生まれ。日本体育大学教授。究極の実践研究としてボディビル競技への挑戦を続けており、2012年から2021年まで柔道全日本男子チーム体力強化部門長を務め、2016リオ五輪では史上初となる男子全階級メダル制覇、2021年東京五輪では史上最多金メダル5個獲得を達成。

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