「体育会系のノリが大の苦手なんですよ」
夏の面影残る9月初頭。インタビュー予定時間の少し前に、森は都内の撮影場所に姿を現した。
「まだまだ暑いですね」
男はそう言って汗を拭うと、自ら率先してこちら側に笑顔で語りかけてくれた。爽やかな男だ。自然体で飾らない。それでも気づけば人の懐へと入っている。ジムの代表という肩書きとは裏腹に、体育会特有の圧力を感じさせないのが森の特徴なのかもしれない。
「体育会系のノリが大の苦手なんですよ」
そう語る森は、これまでのフィットネス界の価値観とはどこかで距離をとりながらも、確かな実績を積み上げてきた。著書は多数ある。クライアントには一線級の芸能人やモデルが名を連ねている。代表を務めるスタジオは常に予約でいっぱいだ。
「このサイトに他の方々と名前を連ねるのが恐縮です」
そんな謙遜の奥には身体に対するユニークな哲学と、自分を貫く強さが静かに宿っている。独自の道を切り開いてきた脱体育会系トレーナーは、今も時代の寵児であり続けている。